「妄想」は「空想」ではない

ここ15年くらいだろうか。

空想とか想像のことを、「妄想」と言う人が劇的に増えた。

特に、
社会的に許容されないことを空想する場合、
「妄想」という言葉を使うのが当たり前のような感じさえある。


でもその言葉の使い方は間違っている。


「妄想」とは、
その内容が現実か非現実かの区別がついていない状態を言うのであり、
「空想」や「想像」とは明確に違うからだ。


「妄想」という言葉が乱用されるのと同時に、
「空想」や「想像」という言葉は使われる頻度が減ったと思う。

でも実際には、
妄想を持つ病的な人は少ない。

一方で、人はほぼ毎日空想や想像をしているはず。


面白がって「妄想」を多用しないで、
「空想」は空想、「想像」は想像と表現する日本語話者でありたいと私は思う。